(1)食事と健康
●離乳食は遅くて良い
●清潔にしすぎない
今から4年前の平成19年頃には、離乳食は生後3~6ヶ月くらいから、果汁あたりから始めるのが良いというのが、育児関連の本には書いてあるようでした。この後にも書きますが、僕の子育てはかなりおおざっぱというか、手抜きというか、ワイルド系な育て方が基本になっています。けれども、この離乳食についてはこだわりがありました。それは、離乳食を早くすると、子どもが危険さらされる、というものです。これにはちゃんとした科学的な根拠があるのです。
人間に代表されるように免疫系統が発達した生物では、体内に異物が入ってきたときにそれを取り除こうとする機能が発達しています。簡単に言うと、異物が簡単に体内に入り込まないようにしているし、入ってきたときそれを排除する機能があると言うことです。ところがこの機能は生まれたばかりの乳児には十分に発達していない機能なのです。口から入った食べ物は、小腸の壁面から取り込まれて体内に入ってきます。このとき、大人の小腸は、何を吸収して、何を吸収しないかをちゃんと分かっています。ところが、乳児にはこの機能が未発達で、基本的にどんなものでも吸収してしまいます。だから、乳児に危険なものを食べさせると体内に取り込みやすいのです。この分別の機能は、研究者の見解や個人差もありますが、だいたい出生後6ヶ月から12ヶ月くらいで、十分なレベルになると言われています。ですから、逆に言えば、6ヶ月よりも早くいろいろなものを食べさせるのは大きなリスクを伴うのです。そういう理由から、私は離乳食を早く始めるのはリスクが高い行為だと考えます。
ウシや羊の成長を早くするために肉骨粉を与えていたというのは有名な話ですよね。肉骨粉の中にBSEの原因となるプリオン蛋白が含まれていた場合、成獣よりも幼獣で感染しやすいのですが、それは人間でも同じです。
離乳食を早く始めるリスクは、どういう風に現れるかというと、主に免疫系統の傷害として現れやすいでしょう。具体的には、アレルギーとかアトピー性疾患とか、その他の免疫疾患です。そのほかにも、狂牛病に代表されるプリオン蛋白由来の病気にかかるリスクも高くなるはずです。
そんなわけで、生後6ヶ月いないに離乳食を始めるのは良くないと考え、我が家の場合は、生後1年間は母乳だけで育てました。そして1年経った頃に自然に離乳しました。
結局の所、離乳食を早く始めるから面倒なのです。母乳で十分に大きくなった乳児は、通常の食事への移行がとても楽です。実は、我が家では、離乳食は作りませんでした。母乳からいきなり親と同じメニューです。小さく切ると言うような事はしましたが、子どものために特別な料理は一切しませんでした。それで良いのです。野生動物は皆そうやって育っています。人間の子どもだけ特別扱いする必要なんてあまりないのだと考えます。
それから、あまり清潔にし過ぎないことも大切です。清潔なほど免疫系統の発達は悪くなりますから、結果としてアレルギー疾患が発症する割合が高くなるのです。これは最近の研究でも大分分かってきたようです。私の考えは、クリティカル(重要)な期間は慎重に、それを過ぎたら徐々に慣らすことです。我が家では生後3ヶ月間は可能な限り気をつけました。6ヶ月を目処に清潔の度合いをゆるめました。生後9ヶ月くらいからは、外で埃や土にもさわらせ始めました。初めて土を触ったあとは発熱することもありました。それで良いんです。体内の免疫機能が働いている証拠なのですから。
乳児の育児で気をつけるのは最初の6ヶ月で良いのではないかと思っています。1~3歳くらいまでに汚いものに触れさせて、免疫機能を十分に発達させておかないと、そのあと苦労しそうです。これは動物の専門家としての直感でもあります。
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